大谷資料館  (栃木県宇都宮市)
おおやしりょうかん
大谷石の地下採掘現場跡がそのまま見学できる資料館。
2006/4/16
 金曜〜土曜と仕事で宇都宮に出張。せっかくなので、日曜日はフリータイムとして観光することにした
これは今回の宿。東横イン。法令違反続出の極悪ホテルチェーンであるが、やはり安いためか、ほとんど満室で盛況だった。
私がいたときは外国人(ドイツ?)の団体が来ていた。フロントのお姉さんは、ドイツ語も英語もまったく話さず、日本語1本で通していたのが素晴らしい。

 宇都宮といえば栃木県の県庁所在地であり中心都市。駅のまん前には立派な複合施設のビルが建っていて、「開業1周年記念」とか書いてあった。この中にはヨドバシカメラも入っており、デジカメ好きなライダーは、「宇都宮に来てまで行くか」と思いつつも、ヨドバシカメラを見学。
貧乏人ライダーは、夕食は駅の中の有名店「みんみん」で餃子を食した。ここ、餃子1枚6個入りで230円ととても良心的な料金で大繁盛していた。並ぶのが嫌なライダーは、別の店でもいいか、と思ったのだが、他の店はみな300円以上と高額なため、やはり、みんみんに戻って並んで食べた次第。味は特にうまいというわけでもなかった。横浜の中華レストランの餃子のほうがうまいと思う。ただ、「餃子の街」ということで町おこししているため、あちこちに餃子屋があり、それはそれでにぎやかでいいのかもしれない。どこにでもある料理を特色にするのは難しい。


実は宇都宮は以前冬に行ったことがある。これはその時に撮影した餃子の像である。はっきり言って気持ち悪い。


 開業1周年記念セールをやっていたビルであるが、ヨドバシカメラの中も、土曜の夕方だというのに、人はまばら。こんなに空いているヨドバシは初めて見た。びっくり。
 おまけに、「ホテルに戻って部屋で夕食を食べよう」と思い、デパ地下の食品売り場にいったら、なんと、ガラ〜ン。売り場の半分は商品のない空の棚が並んでいた。「ここ、営業してるの?」「はい、やってます」「この空の棚はなに?」「先月いっぱいで、テナントが撤収したんです」とのこと。開業1年足らずに、もう店がつぶれまくっているとは、地方都市の現実を目の間にして複雑な気持ちである。
 このビル、上部には自治体の施設も入っているし、駅のどまん前だし、三セクか何かだと思うが、これはちょっとひどすぎる。
あとでよく見ると、ビルの1階の店もシャッターが下りたままだった。


 さて、日曜の朝である。今日は午前中いっぱい観光する予定でいる。まずは、ホテルのすぐ隣に「重要文化財」を発見。ホテルのフロントで「隣の建物はなんだ?」と聞くが、フロントの女性はポッカリしていて、返答がない。さすが、悪徳ホテル業者のフロント。隣にある観光施設の知識もないとは。唖然。

「旧篠原家住宅」といって、豪商の家を保存して公開しているらしい。一般の民家が国の重要文化財とはすごいなあ、と思い、さっそく見学。入館料は100円。安い。


 中に入ると、いきなり婦人服が並んでいる。「なんじゃ、こりゃ?」
話を聞くと、地元の御婦人連中の洋裁の発表会らしい。横浜の洋館でも、スペースを利用して趣味のサークルの発表会などが行なわれているが、ここのはちょっとひどい。古民家建物に興味があって来たのに、こんなものを見たくない。大事な解説板の上にも洋服がかけられていて、文字が読めない。台無しである。
 おまけに、このサークルの関係者が中にうようよいて、私に向かって、「どうですか、このスカート?」とか聞いてくるし、「どうぞ、名簿に名前を書いていって下さい」とか言う。それにオバサン連中はペチャクチャうるさくて、うっとうしい。



 そんな状況を察してくれたのか、ここの解説係のような男性が、「宇都宮は昔・・・・」とか「この床柱は・・・・」とか、本来の説明をしてくれて、おばさん連中から逃げ出すことが出来、救われた。

とにかく広い豪華な家だった。

蔵も立派だ。

この家の建築費は、その当時(明治20年くらい)の宇都宮市の年間予算の数倍ということで、今の価値にすると、数百億円ではないか?との話だった。柱もすごい立派で部材もすごいものばかり。肥料を売っていたとのことだが、そんなに儲かったのだろうか?
 さて、民家見学を終え、いよいよ、今日のメインの「大谷資料館」へ向かうこととする。
 宇都宮駅西口前のバスターミナル6番から関東バス「立岩」行き乗車。「資料館入口」を目指す。(「大谷資料館入口ではないのがまぎらわしい。) 約30分。440円。

 ところで、普通、こういう施設に行く場合、そこが運営している公式サイトを参考にするものだが、これがいただけない。実にあっさりしすぎている。それに不親切。本当に「来て欲しい」という意識があるのだろうか?

 例えば交通案内。車用ならくわしい周辺地図が必要。電車バスなら、時刻表も必要である。今回も「1時間に1〜2本しかない」ローカル路線バスであり、1本乗り遅れると大変。それに時間が正確でない。あらかじめ「所要時間・バス料金・時刻表」を公式HPには載せておいて欲しい。
また、この資料館はバス停で降りたあとも7分間歩かなくてはならない辺鄙な場所にある。歩行用の地図も必要である。それに、公式HPでは「大谷資料館入口」とバス停名が記されているが、本当は「資料館入口」だった。関東バスのHPで「大谷資料館入口」と検索しても出てこなかった。こういうことは正確に書いて欲しい。初めてそこに行く人でもわかりやすいような案内を書くようお願いしたい。また、日本語として基本的なことであるが、地名や人名にはもれなくフリガナを降るべきである。今回も「おおたに」なのか「おおや」なのか、素人にはわからない。地元の人に聞く場合に、「おおたにしりょうかんってどこですか?」と聞いても、「おおたに? 知らないねえ」となるからである。

 特に、整理券方式のバスの場合、停留所に着くまで、いくらなのかわからないのは、財布を持ちながら「小銭足りるかな?」と不安になりがちである。常に最新の正確な料金情報を載せて欲しい。宇都宮は、日光も近くにあり、外国人観光客を呼べる立地でもある。観光で食べるつもりなら、英語表記も必要だと思う。とにかく、素晴らしい観光資源なのに、客を呼ぶ努力がイマイチなのは感心できない。

 それから、根本的なところなんだが、「大谷資料館」ではなくて、「大谷石資料館」とすべきではないだろうか? 中は大谷石のことばかりなんだから。

 バスに乗って25分ほどすると、大谷町が近づいてきたらしく、車窓から、「大谷石で出来た壁」「大谷石の石材店」などが見えるようになる。

 バス停を降りる際、運転手が「資料館はこの先を右へ曲がって・・・」と案内してくれた。ありがたい。

 バス停横にはちょっとした公園のような施設(トイレもある。トイレの入口も大谷石でできていた)があり、ここですでに大谷石の採掘跡が見える。ちょっと異様な山肌である。面白い。

 ところで、バス停を降りた際、「無料レンタサイクル」という案内板があった。バス停から資料館までけっこう歩くことや、そのあとに観音様にも行きたかったため、「無料」「乗り捨て自由(いくつかポイントがある)」というのは、「こりゃいい。ぜひ利用したい」と思ったのだが。

 借りられる場所には自転車の姿はなかった。というか、この制度、終っている様子だった。(このあと、地図上に乗っていたレンタルポイントをいくつか調べたが、いずれも、自転車はなかった。) 無料ということもあり、いい加減な利用客が多く、運用をあきらめたのかもしれないが、制度が廃止されたのなら、案内板も撤去すべきである。がっかりした。




 

途中でこんな場所も発見。大谷石を削ったあとらしい。

宇都宮はちょうど桜が見頃だった。

資料館前では、カメラサークルであろう、大勢の老人カメラマンがいた。

こんな写真を撮っていたのかな?

さて、小雨降る寒い中、7分ほど歩いて、ようやく資料館に到着。日曜でもあり、多少客が来ている。
このへんの岩肌も大谷石である。


ここが入口。公式HPの案内を転載します。

開館時間
9:00a.m. 〜 16:30p.m. (入館は16:00p.m.まで)

休館日
8月を除く毎週木曜日 及び 年末・年始(12月24日頃 〜 1月1日)
但し木曜日が祝祭日の場合と1/2〜1/4,4/29〜5/5は休まず開館します。
年末からの休館日は毎年違いますので、事前にお問い合わせ下さい。
TEL.028-652-1232

入館料
一般大人(高校生以上)¥600  団体大人(30人以上)¥500

●一般小人(小・中学生)¥300  団体小人(30人以上)¥250

見学所要時間
約30分

駐車場
無料 バス10台、乗用車100台

※16:00pmって表記はおかしくないか? 午後16時って普通言う?
 600円が高いか安いか?さあ、 見学です。まずは、入口部分の建物の中にある展示スペースを見学。掘削道具やら大谷石の歴史やら、「ここでまず予備知識を得てから入って下さい」という感じの学習コ−ナーです。
さて、では、いよいよ「入坑」です。


 大谷石を切り出した坑内は、洞窟のような形態の為、外気と気温が違います。冬は2度程度、真夏でも13度程度の気温となっています。今日は5度でした。外気より3〜4度低いといったところです。夏場は入ったとたんにすっきり、ひんやりで気持ちいいそうです。ただし、長時間入ると寒くて風邪を引くので、長袖を1枚羽織って入ったほうがいいそうです。今日は、外気もかなり寒いですから、中はもっと寒かったです。




このような道を降りていきます。中はひんやりしています。
なんか異空間に引き込まれる感じです。


白熱灯の裸電球がいくつかあります。
ボール型蛍光灯にすれば省エネできるのに、もったいない。

切り出した石が見本として展示されています。

人間と比べると、いかに大きな空間なのかわかると思います。

休憩スペースのようなものがありました。椅子ももちろん大谷石。

天井を見ると、このような穴があいています。地上からこの穴をとおって、地中に入ったのでしょう。このように、いくつか外気が入ってくる場所があるため、洞窟内とはいえ、気温の上下が多少あるのだと推測されます。


この資料館はその特異な存在から、美術展や演劇・コンサート(音の響きがすごい)に利用されることもあるそうです。これはその名残でしょうか・

左側が機械掘削のあと。右側が手掘りの跡。
「機械掘りは味気ない」とパネルに評されています。

8メートルくらいはある巨大なオブジェ


広大なスペース。見学者の誰もが、「天井が落ちてきたら大変だろうなあ」と必ず言っています。


演劇などの舞台として使われているスペース

ゆっくり写真を撮りながら見学しても、全部で40分間いたかどうかの時間でした。

野球場が一個まるまる入る大きさだそうです。(もし柱がなかったらの話)
実際の採掘場はもっと大きいらしく、展示スペースとして公開しているのはわずかな部分だということで、この町にはこのような地下空間があちこちの存在しているそうです。このため、しょっちゅう、落盤事故が起きています。
そういう意味では下手なジェットコースターよりもスリルがあるかも。

昔、大谷石を切り出して地上にあげた場所が今は池になっていました
帰りのバスまでに時間があるため、次は大谷観音へ参拝です。
7〜8分歩くのですが、途中に見える家も大谷石を使っています。
大谷石の優劣というのは、「ス(小さな穴)が多いものが低級品、中がキッチリ詰まっているものが上等品」とのことです。民家の塀などには低級品が使われているようです。
参拝料が300円とられます。ちょっと高いです。
なんとまあ、すごいところに建てられたお寺だこと、びっくり。
縄文時代は人の家だったようです。

縄文人の骨が発掘されたそうで、別棟の宝物館の中に、考古学的な展示物がいくつかあります。そういうのが好きな人には300円はお値打ちかも。


この寺は「日本最古の石仏」というのが売りなんだが、この千手観音像、火事にあったらしく、表面の金箔や塗り物が全部落ちてしまい、今は無残に石の部分がむき出しになった状態で安置されている。復元すればいいのに。
寺の内部は撮影禁止なので、パンフを転載して、観音像を紹介します。この時代の物って、全部弘法大師が作ったらしいです。そんなわけないと思うんだけど。

この石仏の他にも、大谷石の崖の表面をうまく利用した石仏がいつくか彫られており、現在はそこに屋根がかけられ、保存されており、まあまあ見ごたえのある寺だった。
庭も素晴らしく、桜がちょうど見頃で、いい景色だった。


 このあと、戦後に戦死者の冥福を祈って大谷町の住民が作った、「平和観音」を見学。(無料)
 「おなかの辺りにある腕は、本当は外に出すものだが、細工が難しいのと、磨耗を防ぐために、服の下に入れた」と地元のガイドさんが解説していた。

平和観音のすぐ近くには、全部大谷石でできている家もあった。

とにかく桜がキレイ
そして、今度は観音前バス停から、またバスに乗り、宇都宮に戻って、旅はおしまい。

大谷資料館はなかなかよく、必見かも。車で観光する人には、地理的に言って、日光旅行に、加えるといいかもしれない。駅よりも東北自動車道ICのほうが近い。